中国新聞の記事を論評するブログ

中国新聞 2008年9月17日付 くらし(25面) ネット上のソースなし

政乱の足元で 上
非正規雇用
踏みにじられる弱者
低賃金 描けぬ将来像
 年金、医療制度と、暮らしにかかわる問題でつまずき、二代続けて政権を投げ出した自民党。その反省も検証も満足になく、総選挙にらみの総裁選が今、にぎにぎしく繰り広げられる。喧噪の中で、暮らしの足元を見つめた。

 ふと死について考えることがある。「一人で死ぬのかな。仕事がなくなって、それも橋の下で・・・」と。広島県海田町に暮らす小山悠二さん(31)は、怒りともあきらめともつかぬ目で語り始めた。

「蟹工船」今に

 一人暮らし、インターネットカフェで深夜にアルバイトし、収入は手取りで月約十七万円だ。家賃と食費、社会保険料を支払うといくらも残らない。年収二百万円では貯金は無理だ。
 関西の高校を卒業後、地元で就職したが、上司とうまくいかず四年で辞めた。警備員をしながら各地を渡り歩き、二年前から派遣会社の紹介で広島へ。これまでの職場には残業手当はなく、雇用保険に加入させてもらえなかった。
 最近、小林多喜二の小説「蟹工船」を漫画で読んだ。人間扱いされず、過酷な労役に耐え忍ぶ人々がそこにいた。「強い者が弱い者を踏みにじる。まさに今の日本」。自身に重ね合わせる。
 「どの仕事でも使い捨てで踏みにじられるだけ。この年になり、親に楽をさせてやれない自分を恥じています」。小山さんはつぶやいた。
 小山さんの同僚、幡野博道さん(35)=広島県坂町=もアルバイトだ。正規採用の職を探したが、「三十歳を過ぎたら、面接で即、『いらない』なんです」。安倍政権がアピールした「再スタート」は死語に近い。「景気回復を」「未来に希望が持てる国に」―。各候補が声高に叫ぶ総裁選が別の国のことのように思える。

劇場型政治の罪

 広島県労連に相談し、近く店と待遇の改善交渉を始める二人。食事代の節約を始めた。現状から抜け出すため、資金を蓄えたうえでの起業を模索しているから。さらにアルバイトを増やすつもりだ。
 派遣社員の業種を広げる規制緩和は、働く形態を激変させた。正社員が減り、アルバイトや派遣社員など非正規労働者が増加。総務省の労働力調査によると、今年四―六月期の非正規労働者は千七百三十二万人。今や三人に一人が非正規だ。県労連の内谷富雄事務局長は「正社員は過密労働に、非正規労働者は低賃金にあえいでいる」と指摘する。
 連合広島は昨年度、約百人の非正規労働者から「残業代がもらえない」「もう来なくていいと解雇された」などと相談を受けた。国近匠事務局長は「同じ仕事をしているのに待遇が違うと、若者は将来像を描けない。このままでは社会がおかしくなる」と訴える。
 「勝ち組・負け組み」「ワーキングプア」の言葉が生まれ、「格差」が当たり前になりつつある今。小山さんはその根源を、規制緩和や市場原理の導入を過剰に推し進めた小泉政権にみる。
 「でも多くの国民は、パフォーマンス上手な小泉さんを支持したんですよね。国民も変わらないと」。苦境から見つめる目は、劇場型政治の罪を指弾する。 (岩崎秀史)

写真 広島県労連で労働条件の相談をする小山さん(右)と幡野さん(中)
中国新聞 2008年9月18日付 くらし(11面) ネット上のソースなし

政乱の足元で 中
社会保障
説得力ない国の説明
「ツケ残したくない」

 「ガソリンも野菜も乳製品もみんな値上がり」「トイレットペーパーとかの量もよく見ると減ってるよね」。自民党総裁選の告示から一夜明けた十一日、口々に言い募ったのは消費者の勉強会「バラの会」のメンバーたちだ。物価高とダウンサイジングの波にさらされる今、もやもやとした不安が募る。
 勉強会は福山市内の公民館で開かれ、六十―七十代の主婦約二十人が集まった。講師の消費生活アドバイザー出路千恵さん(61)=広島市安佐北区=が「政治に思うことは?」と水を向けると、注文や批判が飛び出した。

「貧乏症候群」に

 「急に総裁選が始まったけど、これもお金がかかるでしょ。百円単位の節約を心掛けてるのに、無駄遣いとしか思えない」とは福山市の主婦広中久子さん(65)。「もう我慢しかない。なるべくお金を使わないこと」とみな口をそろえる。そんなムードを出路さんは危ぶむ。「財布のひもばかりが固くなってきてる。みなが『貧乏症候群』になったら景気回復もままならないのに・・・」
 しかしその原因は、説得力のある説明をしない政治の側にある。目前の物価高だけが問題ではない。将来への不安がぬぐえないから、国民は消費に走れないのだ。
 今月内閣府が発表した「社会保障制度に関する特別世論調査」では、不満足な分野のトップはやはり年金制度。二〇〇四年の年金改革に伴い、政府は来年度、基礎年金の国庫負担率を三分の一から二分の一に引き上げる。
 ホントに大丈夫なのかしら―。メンバーは一様に懐疑的だ。新たに必要な財源について、総裁選で明快に語られているとは思えない、というのだ。「特別会計の余剰金とか消費税とか埋蔵金とか。いろいろ聞こえてくるけど、論争になってるとは思えない」とは会の代表石井弘江さん(72)。未来を保障することだけに、うやむやにはしたくない。

「ごまかし」に不信

 今年四月に始まった後期高齢者医療制度もそうだ。新たに保険料を納めねばならない人々が出てきたことで、批判も高まった。すると、国は期限付きで支払いを凍結。こうした場当たり的な減免措置は、石井さんたちにはかえって「ごまかし」に映る。
 「劇場型政治の欺瞞に気づいた国民に『覚悟』が芽生えつつあるのに、政治こそ現実から目をそらせているのではないか」とは、広島修道大の市川太一教授(現代政治論)だ。例えば消費税。一九八九年の消費税選挙で大敗を喫した自民党は、この総裁選でも議論に及び腰だ。「不足する財源を全体として整理し、考えるべき時。増税は耳に痛い話だが、責任持って長期的な視野を示すのが政治の役割」と指摘する。
 出路さんは思う。「社会保障の充実こそ、実は若者たちを支えている」と。厳しい雇用と上がらぬ給与の中で苦闘する若い世代。将来のセーフティーネットを失えば、その頑張りさえ消えうせ、社会の安定感も失われる。それが怖い。
 「今さえよければいいとは思わんよ」と会のメンバー。「将来世話になる子や孫にツケや不安を残したくない。それが親世代の本心なのにねえ」。目先の議席にとらわれ、応えようとしない政治。不信はいや増す。 (片山明子)

写真 暮らしの中の疑問を話し合う出路さん(右端)と主婦たち。矛先は政治にも向かう (福山市)
中国新聞 2008年9月19日付 くらし(22面) ネット上のソースなし

政乱の足元で 下
政治の責任
改革の痛みを放置
若者・地方に希望を

 突然、政権を投げ出した安倍晋三前首相と福田康夫首相。暮らしの問題は足踏みを続ける。社会保障は先行きが見えず、地方は衰退の一歩。未来は見えにくい。この総裁選の先には、政権選択が控える。トップとはどうあるべきなのか。地域社会で活動する二人に尋ねた。
 「首相が政治家として甘く、そのツケが国民に押し付けられている」。岩国市周東文化会館の川口尚子館長(71)は、相次いだ辞任を断罪する。
 小泉純一郎元首相が主導した構造改革は、閉塞状況を打ち破るのに必要だった、と言う。一方で「痛み」も生じた。「それを抑えるのが後継者の役割なのに、二人は責任を放り投げた」。痛みに苦しむ弱者は放置されたままと思える。

「官」縮み格差拡大

 改革の痛みは地方文化にも及んだ。川口さんが例に挙げるのは「官から民へ」の掛け声の下、二〇〇三年の改正地方自治法で導入された指定管理者制度。周東文化会館も〇六年度から財団法人が管理する。
 「いかに経費を削るかできゅうきゅうとしているのが現実。地域の文化を育てる誇りと使命感が薄れるのが怖い」と川口さん。市からの年間委託料三千万円は、今後五年間で百万円以上カットされる。契約期間にしばられ、長期計画も立てにくい。
 芸術に触れ文化をはぐくむ環境は、大都市圏と地方では格段に差がある。川口さんは「だからこそ地方では『官』が担う役割は大きい」と強調。全国一律の改革は、地方にしわ寄せをもたらす。「地域の実情をもっとくみ取ってほしい」。政治に、そのトップに、そんなまなざしを求める。

失われた夢・幸せ

 今や最大か喫緊の課題に定着した、社会保障をめぐる諸問題。「若者を一人でも多く働かせ、税金を納めさせることが大事。年金問題などの解決の早道じゃないでしょうか」。そう話すのは、六十万人を超すとも言われるニートの社会復帰を支援する「みどり塾」(三原市大和町)の指導員、元谷健一さん(35)だ。
 みどり塾は厚生労働省の委託を受け、〇五年九月にスタート。この三年間で二十、三十代の八十人と向き合った。引きこもりは家庭の問題に帰結する、というのが実感だ。親の離婚や自殺が引き金だったり、親があまりにも過保護だったり・・・。「今の日本は夢がないから、家庭もうまくいかない。ある意味、ニートは社会の犠牲者ですよ」
 「苦しくても、夢や幸せがあれば頑張れる。そんな社会であってほしい」と願う。だが、政治は将来の羅針盤の役割を果たさず、首相辞任の異常事態が続くばかり。「だめなら辞めたらいいというのは、普通の組織でも考えられない。政治に期待できない」と手厳しい。
 入塾する若者に真剣に向き合えば、閉ざした心を開いてくる。政治も一つ一つの課題を正視する姿勢が、信頼回復への道だと思う。
 一方、川口さんは「安倍さん、福田さんとも二世議員。老舗の息子が悪いとは思わないが、二人はかっこよすぎた」と評する。つまり自ら戦い、地位を築き上げたタイプではない。多様な国民の利害が衝突する政界で、百戦錬磨だからこそ卓見が生まれる―。そう川口さんは思う。経験に裏打ちされた哲学を持つ政治リーダーを望む。 (岩崎秀史)

写真 「首相ばかりが代わり、暮らしの問題は改善されていない」と話す川口さん
写真 「政治は本気で課題に向き合っていない」と語る元谷さん





>収入は手取りで月約十七万円だ。家賃と食費、社会保険料を支払うといくらも残らない。年収二百万円では貯金は無理だ。

手取りで月17万円って結構な額だと思うが、家賃と食費にどんだけかけてんだ。
かなり前に、今で言うワーキングプアの若い貧困者を取材したテレビ番組を見たけど、そいつが金に困ってる理由が、メイドカフェに通っているという理由だったのは笑った覚えがある。


>小林多喜二の小説「蟹工船」を漫画で読んだ。人間扱いされず、過酷な労役に耐え忍ぶ人々がそこにいた。「強い者が弱い者を踏みにじる。まさに今の日本」。自身に重ね合わせる。

漫画じゃなくて小説で読めよ。
悲劇のヒロインぶってる気持ち悪い奴だな。


>「再スタート」

それって「再チャレンジ」のことですか。


>食事代の節約を始めた。現状から抜け出すため、資金を蓄えたうえでの起業を模索している

月にどれだけ食費に使っていたのか知りたいな。
もし起業ができなかったり、できたとしても失敗したら、小泉や社会のせいにしそうだな。


>内谷富雄

検索してみたが、わかりやすい人ですね。
9条世界会議ヒロシマ-賛同団体・賛同者-
呉を出撃基地にするな 輸送艦イラク派兵に抗議 広島 (日本共産党)
広島市長選 市政の前進面を評価 共産党、独自候補立てず (日本共産党)
日本共産党広島県委員会が「広島市長選挙にのぞむ態度」を表明


>国近匠

地方連合会の「地方連合会会長・会長代行(代理)・事務局長一覧[2008年3月現在]」というファイルを見ると日教組の方のようですね。
2008平和行動in沖縄 (連合ニュース)
原水禁ニュース (原水禁ヒロシマ)


>小山さんはその根源を、規制緩和や市場原理の導入を過剰に推し進めた小泉政権にみる。

「小泉が悪い」といって自己満足してるだけかよ。
「自分も悪いかもしれない」という風には考えが及ばんのか。


>国民も変わらないと

「国民も変わらないと」って、かなりの上から目線ですね。


>「トイレットペーパーとかの量もよく見ると減ってるよね」

どうやって調べたんだ。というか、なぜそれに気づいたんだ。


>「急に総裁選が始まったけど、これもお金がかかるでしょ。百円単位の節約を心掛けてるのに、無駄遣いとしか思えない」

総裁選の金って党費から出すんじゃないのか。
そもそも、次期首相を決めるのに、「金がもったいないから選挙もするな」ってすごい事を言うね。
そこまで言うからには、森元首相が小渕元首相の死後に、密室で後継の首相に決まったことにも文句はないんですね。まあ、そう問われると「あの時とは状況が違う」とか言いそうだが。


>劇場型政治の欺瞞に気づいた国民に『覚悟』が芽生えつつある

脳内ソースですか。


>増税は耳に痛い話だが、責任持って長期的な視野を示すのが政治の役割

増税の前に無駄を削減しろって話で終わりになると思うが。


>「若者を一人でも多く働かせ、税金を納めさせることが大事。年金問題などの解決の早道じゃないでしょうか」。

そんな当たり前のことはいいから具体策を言え。
「子どもが増えたら少子化問題も解決です」って言ってるようなもんだぞ。


>「今の日本は夢がないから、家庭もうまくいかない。ある意味、ニートは社会の犠牲者ですよ」

「あなたがニートになってるのは、親や社会が悪いからです」と、ニートに言ってるんですか。
こんな馬鹿がいるなら、安心してニートになれますね(棒読み)。


>「安倍さん、福田さんとも二世議員。老舗の息子が悪いとは思わないが、二人はかっこよすぎた」

かっこいいって・・・。
世襲とか言い出したら小沢や鳩山だってそうだろ。


>自ら戦い、地位を築き上げたタイプ

現職の国会議員で、誰が当てはまるのか教えてほしいもんだが。

コメント
【雇用問題】各政党メール・フォーム
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2009/08/07(金) 08:42:41 | URL | #gUK8S.K2[ 編集]
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